Hommage a TOKIO KUMAGAI

パリをデザインの拠点とし、東京コレクションで発表を続けたファッションデザイナーの軌跡をたどります

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『X-MEN』1985 7/8 No. 7 mid summer 流行通信社

Little Paradise、New Brand項目に掲載 ☆ 腕のお洒落はまかせなさい。時計の概念を華麗に打ち破る―トキオ・クマガイ・ウォッチ シューズ・デザインやメンズ・コレクションで人気のトキオ・クマガイがセイコーから腕時計を発表。5月10日から全国のセイコー・…

’80年代の伝説の雑誌『X-MEN』をご紹介します

流行通信社(現INFAS)から発刊されていたメンズファッション誌の中でも登喜夫さんの活動時期と重なっていたのが『X-MEN』です。 砂山健氏(故人)が編集長を務め、隔月刊誌として’84年夏創刊された最初の1年間は登喜夫さんの親友でもいらっしゃった画家の…

靴のクリエイティヴィティ i デコンストラクテ

モチーフシリーズ(クリエイティヴィティ b)のユーモアさもさることながら、登喜夫さんは『未完成』『非構築』のエッセンスを加えたピースもたくさんデザインしました。 つま先の革がめくれ上がっているようにデザインされたシリーズはパンプスやサンダルと…

靴のクリエイティヴィティ h メッシュ

今でこそボッテガヴェネタ Bottega Venetaを筆頭にプレステージブランドがこぞってテクニックを競ったさまざまなメッシュ使いアイテムを目にするようになりましたが、’80年代、私にとってメッシュの靴は自営業の中年男性が履いているというイメージがありま…

『03 Tokyo calling』3.1990 No.4 新潮社 (後)

(前・後編の区切りはnamourOKによる) しかし、なぜガイドなのか。渡仏当時、まず何より言葉を覚えなくてはと頑張ったおかげで言葉には少し自信があるから、というのが彼の語った理由だが、それはあくまでも表層の理由であって、深部には彼が言語化しなかっ…

『03 Tokyo calling』3.1990 No.4 新潮社 (前)

登喜夫さん没後、まだブランドが存続していた頃に発表された、ご親友で詩人の高橋睦郎氏のエッセイです。 高橋睦郎さんは郷里の福岡で処女作『ミノ・あたしの雌牛』を発表後上京、グラフィックデザイナの故亀倉雄策氏主宰の日本デザインセンターに在籍された…

靴のクリエイティヴィティ g ジップ/ジッパー

ゴム(クリエイティヴィティ d)同様、実用面で靴に取り入れられたジップをデザインに昇華させた先駆者が登喜夫さんです。 ジップを使ったピースは、デザインもシンプルながらハラコやエナメルなど高級感の素材と組み合わせる事で巧みに意外性を盛り込んでいま…

靴のクリエイティヴィティ f カット

どうすれば足を綺麗に見せられるだろうか、という命題に対しての登喜夫さんの答えの一つが、(足入れの)カットだったのではないでしょうか。 足入れからつま先にかけて滴の形にカットされたローファー、足の内側・土踏まずに向かってサンダルのようにサイド…

靴のクリエイティヴィティ e フォルム

靴をイメージするとき、どんな形をイメージしますか?ローカット、ハイカット、サンダル・・・ 登喜夫さんはフォルムにも新しさを求めてデザインをしていました。長くとった折り返しで未来的な印象を持たせたブーツ、ピーターパンの靴のようにカットレザーを…

靴のクリエイティヴィティ d ゴム

ゴムが使われている靴というと学校の上履きかサイドゴアタイプの靴を容易にイメージします。サイドゴアブーツが登場したのは1836年(『靴と足の豆知識』http://www.yoikutu.com/newpage29.html より)。 ’83−’84秋冬コレクション以降、登喜夫さんはゴムを実用…

靴のクリエイティヴィティ c アートシリーズ

どの靴もアート的な感覚に溢れている登喜夫さんの靴ですが、なかでも初期(’82〜’84)には、絵画もしくは画家にインスピレーションされたデザインが目を引きます。ピエト・モンドリアン Piet Mondriaan、ジャン・コクトー Jean Cocteau、ソニア・デロネー Soni…

靴のクリエイティヴィティ b モチーフシリーズ

TOKIO KUMAGAÏの靴といえばまずネズミのパンプス、というほどシューズデザインに衝撃を与えたシリーズです。この成功により登喜夫さんはユーモアを靴に盛り込むクリエイタとして大きく評価されました。’83−’84秋冬コレクションで最初に発表されたのちも動物…

靴のクリエイティヴィティ a 素材

少しずつではありますが、登喜夫さんの靴のクリエイションについてご紹介していこうと思います。現在では特別なデザイン手法ではないかもしれませんが、登喜夫さんが初めてシューズデザインに取り入れたアイディアもあります。もちろん、デザインを形にする…