Hommage a TOKIO KUMAGAI

パリをデザインの拠点とし、東京コレクションで発表を続けたファッションデザイナーの軌跡をたどります

靴のクリエイティヴィティ b モチーフシリーズ

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 TOKIO KUMAGAÏの靴といえばまずネズミのパンプス、というほどシューズデザインに衝撃を与えたシリーズです。この成功により登喜夫さんはユーモアを靴に盛り込むクリエイタとして大きく評価されました。’83−’84秋冬コレクションで最初に発表されたのちも動物にとどまらずモチーフを変えて展開されました。甲全面をブドウの房で飾ったサンダルはシルバーのレザーで仕立ててあり、甘さに大人っぽさがうまく組み合わさったピースだと思います。ジャン=コクトー Jean Cocteauが舞台衣装用に作成したような、大きな目玉が片足ずつに付いているユニークなフラットシューズもありました。モチーフシリーズの中でも私が大好きなのは、以前ご紹介した『ファッション』に掲載されている“キスシューズ”です。
 2007年からマーク=ジェイコブス Marc Jacobsネズミモチーフのバレーシューズ(Marc by Marc Jacobs)を出しています。彼のは登喜夫さんよりももっとスイートで彼らしくデザインしたな、と思いました。
 TOKIO KUMAGAÏモチーフシリーズの靴はWebではPowerhouse Museumアーカイブ
http://www.powerhousemuseum.com/collection/database/
(検索欄に tokio kumagaiと入力してサーチしてください)
また日本はきもの博物館(広島県福山市)では実展示品を見ることができます。
http://www.footandtoy.jp/
画像(出典)
(上・小):’86 P/E ブドウモチーフのサンダル(roseaさんのHPより)
(下・大):’85-’86 A/W 仮面モチーフのスリッポン(Deutsches Ledermuseum/Schuhmuseum Offenbach Nederlands Leder- en Schoenenmuseum Waalwijk, TOKIO KUMAGAÏ schoenen 展図録 P. 128)